診査診断の大事さ 〜良い治療は、正しい診断から始まる〜
- 2026年11月2日
- 検査・診断
こんにちは。
竹村歯科 本町医院です。
皆さんは歯科医院に行ったとき、どのようなことを期待されますか?
「虫歯を治してほしい」
「痛みを取ってほしい」
「しっかり噛めるようになりたい」
患者様によって、歯科医院に来られる理由はさまざまだと思います。
もちろん、私たち歯科医師の仕事は、そういったお悩みを解決することです。
ただ、私が日々の診療で大切にしていることがあります。
それは、「治療を始める前に、まずお口の中の状態を正しく把握すること」です。
どれだけ高度な治療技術があっても、そもそもの診断が間違っていれば、良い治療にはつながりません。
今回は、歯科治療における診査診断の大切さと、当院で行っている精密検査やカウンセリングについてお話ししたいと思います。
■ そもそも診査診断とは?
簡単に説明すると、
診査とは、お口の中の情報を集めること。
診断とは、その情報をもとに何が起きているのかを判断すること。
です。
例えば、「奥歯が痛い」と来院された患者様がいたとします。
歯が痛む原因には、虫歯や歯周病、歯の神経の炎症、歯根破折、噛み合わせの問題など、さまざまなものがあります。
場合によっては、痛みを感じている歯とは別の歯に原因があることもあります。
つまり、痛い場所と本当の原因が必ずしも一致するわけではないのです。
原因を見極めずに治療を始めてしまうと、必要のない処置をしてしまったり、治療後も症状が改善しなかったりする可能性があります。
だからこそ、治療前の診査診断が大切なのです。
■ 悪くなった歯だけを治せば良いのでしょうか?
例えば、被せ物が何度も外れてしまう患者様がいたとします。
外れた被せ物を付け直せば、その日の問題は解決するかもしれません。
しかし、なぜ何度も外れるのでしょうか?
被せ物の適合なのか、歯そのものの問題なのか、噛み合わせや歯ぎしりが関係しているのか。
原因を考えずに付け直すだけでは、同じことを繰り返してしまう可能性があります。
虫歯も同じです。
虫歯になった歯を治すことはもちろん大切ですが、なぜ虫歯になったのかを考えることも必要です。
私たちが目指したいのは、悪くなったところを治すだけでなく、できるだけ同じ問題を繰り返さない口腔内環境をつくることです。
そのためには、一本の歯だけでなく、お口全体を診る視点が欠かせません。
■ 当院で行っている精密検査について
竹村歯科 本町医院では、患者様のご希望やお口の状態に応じて、治療前に精密検査をご案内しています。
もちろん、すべての患者様に同じ検査を行うわけではありません。
痛みが強い場合には応急処置を優先することもありますし、患者様のご希望によっては、気になる部分を中心に治療することもあります。
当院で行っている精密検査には、主に以下のようなものがあります。
① パノラマレントゲン撮影
お口全体の歯や顎の骨の状態を確認します。
② デンタルレントゲン14枚法・バイトウイング撮影
歯の根や周囲の骨、歯と歯の間の虫歯などを詳しく確認します。
③ 口腔内写真8枚法
歯並びや噛み合わせ、歯茎の状態などを写真で記録します。
患者様ご自身にお口の状態を理解していただくためにも役立ちます。
④ 歯周病検査
歯周ポケットの深さや出血、歯の動揺などを調べ、歯を支える組織の状態を確認します。
さらに必要に応じて、CT撮影やセファロ撮影、模型診査なども行います。
大切なのは、たくさん検査をすることではなく、正しい診断に必要な情報を集めることです。
■ なぜ治療前にカウンセリングを行うのか?
当院では、精密検査を行った患者様に対して、原則として治療前にカウンセリングの時間を設けています。
私は、この時間が非常に大切だと考えています。
なぜなら、診断ができたからといって、それだけで治療方針が決まるわけではないからです。
「できるだけ自分の歯を残したい」
「治療期間を短くしたい」
「費用を抑えたい」
「見た目をきれいにしたい」
患者様によって、治療に求めるものは違います。
歯科医師が医学的に良いと考える治療と、患者様が希望される治療が必ずしも一致するとは限りません。
だからこそ、現在のお口の状態や考えられる治療方法、それぞれのメリット・デメリット、費用や治療期間などをご説明します。
そのうえで、患者様が何を大切にしたいのかをお聞きします。
治療方法を一方的に決めるのではなく、患者様と一緒に考える。
それが、当院でカウンセリングを大切にしている理由です。
■ 「治療しない」という選択肢も含めて考える
歯科医院に来たからといって、必ず何かの治療をしなければならないわけではありません。
小さな虫歯であれば、状態によってはすぐに削らず経過を観察することもあります。
反対に、症状がなくても早めの治療が必要な場合もあります。
また、抜歯や神経を取る治療についても慎重な判断が必要です。
一度抜いてしまった歯は元には戻りませんし、神経を取った歯も元の状態には戻せません。
だからこそ、本当にその処置が必要なのか、ほかに歯を残す方法はないのかを検討する必要があります。
できるだけ歯を残すためにも、正しい診査診断が欠かせないのです。
■ 良い治療は、正しい診断から始まる
精密検査やカウンセリングには、どうしても時間がかかります。
検査を行い、資料を整理し、診断をして、治療計画を考える。
すぐに治療を始める方が早いと感じられるかもしれません。
しかし、最初にお口全体の状態を把握しておくことで、治療途中で予想外の問題が見つかるリスクを減らし、より計画的に治療を進めやすくなります。
もちろん、どれだけ詳しく検査をしても、すべてを事前に予測できるわけではありません。
それでも、治療前にできる限りの情報を集めることには大きな意味があります。
私は、歯科医療の目的は単に虫歯や歯周病を治すことだけではないと考えています。
しっかり噛めるようになる。
人前で自然に笑えるようになる。
食事を楽しめるようになる。
そういった変化が、患者様の生活の質(QOL)の向上につながります。
そして、その人の人生にも良い影響を与えることができる。
そのためにも、目の前の問題だけでなく、患者様の将来まで考えた治療を行いたいと思っています。
■ 最後に
竹村歯科 本町医院では、患者様のご希望や必要性に応じて精密検査を行い、その結果をもとに治療前のカウンセリングを実施しています。
今のお口がどのような状態なのか。
どんな治療方法が考えられるのか。
将来のお口の健康を守るためには何が必要なのか。
そういったことを患者様と共有し、納得して治療を受けていただきたいと考えています。
治療の質を高めるためには、まず診断の質を高めること。
そして、良い治療とは、歯科医師だけでつくるものではなく、患者様と一緒につくっていくものだと思っています。
「自分のお口の状態を詳しく知りたい」
「何度も同じ歯を治療している」
「これから先、できるだけ自分の歯を残したい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
すべては、患者様がこれから先も、ご自身の歯で健康に、そして豊かな人生を送っていただくために。
【監修】院長 元島慧
○院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
○参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了
2018年 ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了
2018年 大森塾7期 (総合治療)修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了
2021年 CREDセミナー (保存治療)修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
2022年 日本顎咬合学会認定医取得
2024年 General endo参加
2025年 FDP臨床研修会参加
2026年 小濵先生インプラントコース参加
所属学会・スタディグループ
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医
大森塾
CERI Club
General endo
FDP