セラミック矯正(いわゆる「セラミックで歯並びを整える治療」)の“光と影”|本町医院 竹村歯科|大阪本町の歯科クリニック

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本町医院 竹村歯科の医療コラム

セラミック矯正(いわゆる「セラミックで歯並びを整える治療」)の“光と影”|本町医院 竹村歯科|大阪本町の歯科クリニック

セラミック矯正(いわゆる「セラミックで歯並びを整える治療」)の“光と影”

こんにちは!本町医院 竹村歯科です🎶

今回は「ワイヤー矯正/マウスピース矯正で歯を動かす」のではなく、

歯を削って被せ物(セラミック)で形・向きを整えて見た目を揃える治療に関して説明します。

SNSなどで「短期間で歯並びが治る」と紹介されることも多いですが、

得意なケースと、やると危ないケースの差が大きいのが特徴です。

言い換えると、魔法の近道ではなく「外科的に近い選択肢」。

だからこそ、メリットとリスクを“最初に”ちゃんと知っておくのが大事です。

1. セラミック矯正のメリット(向いている場面)

① 期間が短い
歯を動かす矯正では数か月〜数年かかることがありますが、セラミック矯正は設計と製作が進めば数週間〜数か月で見た目が整うことがあります(もちろん治療回数は必要です)。

② 色・形・大きさを同時に整えられる
歯並びだけでなく、
• 歯の色(黄ばみ、テトラサイクリン変色など)
• 歯の形(欠け、すり減り、歯冠形態の左右差)
• すきっ歯(空隙)
などを同時にデザインできます。ここは“矯正だけ”では得にくい強みです。

③ 被せ物の精度が高ければ審美性は非常に高い
きちんとした診断、設計、形成、歯肉管理、接着ができる医院では、仕上がりの満足度が高い治療になり得ます。

2. デメリット(ここが「闇」になりやすいポイント)

セラミック矯正のトラブルは、だいたい次のどれかが原因で起きます。

デメリット①:健康な歯を大きく削る可能性

歯を動かさない分、見た目を揃えるために歯の量(削る量)で帳尻を合わせることがあります。

歯は削れば削るほど、基本的に元には戻りません。削る量が多いと、

しみる(知覚過敏)
• 神経のダメージ(歯髄炎)
• 将来的な神経の失活(いわゆる神経が死ぬ)
• 根の治療が必要になる

などのリスクが上がります。
「早くキレイ」には理由がある、という話です。

デメリット②:噛み合わせの問題が“隠れて進行”することがある

歯並びは見た目だけでなく、顎の位置・噛み合わせ・奥歯の支持とセットです。

本来矯正で対応したほうが良い骨格や咬合の問題を、前歯の被せ物だけで“見た目を整えた”場合、

• 破折(セラミックが欠ける/歯が割れる)
• 顎関節や筋肉の負担
• 歯周組織への過剰な力
につながることがあります。

デメリット③:やり直しが前提になりやすい(寿命がある)

セラミック自体は強い材料ですが、永久ではありません。

欠ける、割れる
• 接着が劣化する
• 歯肉が下がって境目が見える
• 虫歯になる(特に境目)
などで、将来的に再治療が必要になる可能性があります。

3. 「連結(ブリッジ状)」と「単冠(1本ずつ)」の違い

ここが患者さんにとって超重要ポイントです。

見た目は似ていても、清掃性・歯周病リスク・壊れ方が変わります。

単冠(1本ずつ被せる)

メリット
• 1本ごとに独立しているので、フロスが通る=清掃しやすい
• もしトラブルが起きても、基本的に問題の歯だけ対応しやすい
• 歯周病の管理がしやすい(炎症が起きても局所で止めやすい)

デメリット
• 設計が甘いと歯間の形態が悪くなり、食片圧入や炎症が起きる
• 1本ずつの仕上げ精度が求められ、医院の技術差が出る

連結(複数本をつないで一体化)

※「歯並びをごまかしやすい」ため、安易に提案されると危険ゾーンに入ります。

メリット
• 強度的に有利になるケースがある(ただし万能ではない)
• 歯の向きの差を“まとめて”整えやすい場合がある

デメリット(ここが大きい)
• フロスが通らない/通りにくい形になりやすい → プラークが残る → 歯肉炎が慢性化しやすい
• 連結部の下や歯間が“磨けない地帯”になりやすく、歯周病が進みやすい
• どこか1本でも虫歯や脱離が起きると、まとまってやり直しになりやすい
• 歯の動き(生理的動揺)を連結が邪魔して、負担が偏ることもある

結論として、歯周病リスクの観点では多くの場合、単冠のほうが管理しやすいです。

連結が必要な理由(強度・欠損・咬合支持など)が明確でないのに

「並びを早く揃えるために連結」は、長期的には代償が大きくなりがちです。

4. 歯肉の炎症(腫れ・出血)や歯周病リスクが上がる典型パターン

セラミック矯正で「歯ぐきが腫れた」「血が出る」「口臭が気になる」が起きる時、

原因はだいたい次のどれかです。

パターン①:被せ物の“境目”が合っていない

境目(マージン)が段差になっている、適合が甘い、接着材が残っている。

これらはプラークが溜まる最高の別荘地になります。

歯ぐきは正直なので、腫れや出血で教えてくれます。

パターン②:歯間の形が悪く、食べ物が詰まる

歯間乳頭(歯と歯の間の歯肉)が押しつぶされるような形、

コンタクトが弱い/強すぎる、エンブレジャーが不適切。

すると毎回詰まって炎症→慢性化→歯周病の温床、の流れになりやすいです。

パターン③:歯ぐきを“押す”形の被せ物になっている

歯冠形態がふくらみすぎ(オーバーコンツアー)だと、歯肉溝が清掃できず炎症が続きます。

「ツルツルのセラミックだから汚れない」は半分ウソです。

形が悪いとツルツルでも汚れます(滑り台でも砂は溜まる、みたいな話です)。

パターン④:そもそも歯周病の土台があるのに先に被せた

歯周病治療(炎症コントロール)を先にやらずに被せると、歯肉は落ち着きません。

結果として、せっかくの審美治療が「歯ぐきの赤み・腫れ」で台無しになります。

5. 患者さんが事前に確認すべき「安全チェックリスト」

セラミック矯正を検討するなら、次の質問に医院が明確に答えられるかが目安です。

1. 歯をどれくらい削る見込みか(できれば模型・シミュレーションで説明があるか)
2. 神経を取る可能性はどの程度か(その基準は何か)
3. 矯正治療(歯を動かす治療)との比較をしてくれるか
4. 歯周病の検査(歯周ポケット、出血、レントゲン)をしてから進めるか
5. 仮歯の期間で歯肉の形・清掃性・発音・噛み合わせを調整する計画があるか
6. 連結の場合、**清掃方法(フロス/スーパーフロス/歯間ブラシ)**まで具体的に指導があるか
7. メンテナンス計画(頻度、PMTC、ナイトガードの必要性)を提示してくれるか

このあたりが曖昧だと、「仕上がりは一瞬キレイ、

数か月〜数年で歯ぐきが荒れてくる」という残念ルートに乗りやすいです。

6. まとめ:セラミック矯正は“悪”ではない。でも「適応」と「設計」と「管理」が命
• セラミック矯正は、短期間で色や形も含めて整えられる強みがある
• 一方で、削る量・神経・噛み合わせ・やり直しの問題があり、不可逆な側面が大きい
• 歯肉炎・歯周病リスクは、適合精度と形態、そして清掃性(特に連結)で大きく変わる
• 連結は管理が難しく、トラブル時の影響が広がりやすい。必要性が明確なとき以外は慎重に
• 歯周病の土台づくりとメンテナンスができるかどうかで、長期成績は別物になる

「早くキレイ」は魅力的です。でも歯は、速さより“長持ち”が正義になりやすい分野。

もし迷っているなら、矯正(歯を動かす)との比較相談をして、

メリットを活かしつつリスクを最小化する道を一緒に探すのがいちばん堅いです。

セラミック矯正は矯正ではありません。

メリット、デメリットをしっかり理解して選択することをお勧めします。

歯ならび等でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください!

【監修】 院長 元島慧

院長経歴

2012年 歯学部卒業

2016年 大阪市内にて勤務

2020年 竹村歯科 本町医院院長就任

参加セミナー

2016年  大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了

2017年  明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了 

2017年  i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了

2017年  大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了

2017年  山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了

2017年  山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加

2018年  大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了

2018年  牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了

2018年  ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了

2018年  ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了

2018年  第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了

2018年  大森塾7期   (総合治療)修了

2019年  大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了

2019年  山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了

2021年  CREDセミナー (保存治療)修了

2022年  臨床歯科麻酔管理指導医取得

所属学会

日本臨床歯科学会

日本顎咬合学会 認定医

日本顕微鏡歯科学会

臨床歯科麻酔管理指導医