もしかして口臭? 自分では気づきにくい口臭の原因と正しいケア方法
「口臭が気になるけど、人には聞きづらい」
「ちゃんと歯磨きしているのに、なぜか不安…」
口臭の悩みはとても多い一方で、デリケートな問題のため誰にも相談できず、間違った対処をしてしまっている方も少なくありません。
実は、口臭の多くは歯磨きだけでは解決できない原因が隠れています。
今回は、歯科医院の立場から
口臭の本当の原因と正しいケア方法について、分かりやすく解説します。
口臭には種類がある?
口臭と一言でいっても、いくつかのタイプがあります。
生理的口臭
起床時や空腹時、緊張したときなどに一時的に起こる口臭です。
唾液の分泌が減ることで細菌が増え、においが発生します。健康な人でも起こるため、過度に心配する必要はありません。
病的口臭
問題なのがこちらです。
虫歯、歯周病、舌の汚れなど、お口の中のトラブルが原因となる口臭で、放置しても自然には改善しません。
心理的口臭
実際には強い口臭がないのに、「自分は臭っているのでは」と強く不安に感じてしまう状態です。
過剰なケアが逆にお口の環境を悪化させてしまうこともあります。
口臭の主な原因は「お口の中」にある
口臭の原因の約8〜9割は、お口の中にあるといわれています。
歯周病
口臭の最大の原因です。
歯周病菌が出すガス(揮発性硫黄化合物)は、卵が腐ったような強いにおいを発生させます。
初期は自覚症状が少なく、「口臭だけがサイン」というケースも珍しくありません。
舌の汚れ(舌苔)
舌の表面に白っぽく付着する汚れを舌苔と呼びます。
ここに細菌や食べかすが溜まることで、強い口臭の原因になります。
虫歯・詰め物の不具合
進行した虫歯や、合っていない詰め物・被せ物のすき間には汚れが溜まりやすく、においの原因になります。
唾液の減少(ドライマウス)
唾液には、お口の中を洗い流し、細菌の増殖を抑える働きがあります。
ストレス、加齢、薬の副作用などで唾液が減ると、口臭が強くなります。
口臭ケアでやりがちな間違い
口臭が気になると、ついやってしまいがちな行動があります。
マウスウォッシュの使いすぎ
一時的にスッキリしますが、根本原因は解決していません。
使いすぎると口の中が乾燥し、逆に口臭が悪化することもあります。
ゴシゴシ強い歯磨き
力を入れすぎると歯ぐきが下がり、歯周病リスクが高まります。
結果的に口臭の原因を増やしてしまいます。
舌を歯ブラシで強くこする
舌はとてもデリケートです。
傷つけると炎症が起こり、口臭が悪化する原因になります。
正しい口臭セルフケア
丁寧な歯磨き
力を入れず、歯と歯ぐきの境目を意識して磨きましょう。
歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシの併用が重要です。
舌ケアは「やさしく」
専用の舌ブラシを使い、週に数回、軽くなでる程度で十分です。
舌ブラシはどう選ぶ?おすすめのポイント
口臭対策として舌ケアはとても有効ですが、「何を使えばいいのか分からない」という声もよく聞きます。
実は、舌ブラシ選びを間違えると逆効果になることもあるため注意が必要です。
舌ブラシ選びで大切な3つのポイント
① 毛(またはヘッド)がやわらかいこと
舌の表面は歯や歯ぐきよりもはるかにデリケートです。
歯ブラシのような硬い毛でこすると、舌を傷つけて炎症を起こし、かえって口臭が強くなることがあります。
舌専用として作られた、
・毛が非常に柔らかいもの
・ゴムやシリコン素材のもの
がおすすめです。
② 舌の形にフィットする形状
平らすぎるものより、舌のカーブに沿った形状のほうが、余計な力を入れずに汚れを除去できます。
「こそぎ取る」タイプではなく、表面をなでるように汚れを集める設計のものが安心です。
③ 清掃性が良く、衛生的に使えること
舌ブラシ自体に汚れが残ると意味がありません。
・水洗いしやすい
・乾燥しやすい
・定期的に交換しやすい
といった点も大切です。
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舌ブラシのおすすめタイプ
患者様におすすめしやすいのは、次のようなタイプです。
• 毛足が短く、やわらかい舌ブラシ
→ 初めて舌ケアをする方に向いています。違和感が少なく、嘔吐反射も起こりにくいです。
• シリコン製・ラバー製の舌クリーナー
→ 舌を傷つけにくく、毎日使っても負担が少ないのが特徴です。
• 両面タイプ(ブラシ面+スクレーパー面)
→ 軽い舌苔がある方には有効ですが、使うのは週に数回程度にとどめましょう。
※歯ブラシで代用するのはおすすめできません。
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正しい舌ブラシの使い方
舌ブラシは「毎日しっかり」よりも、「やさしく・適度に」が大切です。
• 使用頻度:週2〜3回程度で十分
• タイミング:朝の歯磨き前後がおすすめ
• 方法:
舌の奥から手前に向かって、軽く1〜2回なでるだけ
力は入れず、「汚れを落とす」というより「集める」感覚で行いましょう。
やりすぎは禁物です。
毎日ゴシゴシ行うと、味覚障害や口臭悪化の原因になることもあります。
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舌ブラシを使っても口臭が改善しない場合
舌をきれいにしても口臭が改善しない場合、原因は舌以外にある可能性が高いです。
• 歯周病が進行している
• 歯石や磨き残しが多い
• 詰め物・被せ物の段差や劣化
• 唾液分泌の低下
このような場合は、セルフケアだけでの改善は難しく、歯科医院でのチェックが必要になります。
唾液を増やす習慣
・よく噛んで食べる
・水分をこまめにとる
・ガム(キシリトール)を活用する
これだけでも口臭予防に効果があります。
歯科医院でできる口臭対策
セルフケアだけでは限界があります。
歯科医院では、原因に応じた根本的な対応が可能です。
- 歯周病検査と治療
- 専門的なクリーニング
- 舌苔や磨き残しのチェック
- 詰め物・被せ物の不具合の確認
- ドライマウスの評価とアドバイス
「口臭が気になる」という理由だけで受診しても、まったく問題ありません。
口臭は“体からのサイン”かもしれません
口臭は単なるエチケットの問題ではなく、
お口や体の不調を知らせるサインであることもあります。
特に歯周病は、糖尿病や心疾患など全身の健康とも深く関わっています。
口臭をきっかけに歯科受診をすることで、早期発見・早期治療につながるケースも多いのです。
まとめ
口臭の多くは、お口の中に原因があります。
そしてその多くは、正しいケアと歯科医院でのチェックで改善可能です。
- 口臭の原因は歯周病・舌苔・唾液不足が多い
- 市販グッズだけでは根本解決にならない
- 気になるときこそ歯科医院での相談が大切
「自分は大丈夫かな?」と思ったそのタイミングが、ケアを始めるベストな時期です。
安心して毎日を過ごすためにも、ぜひ一度お口の状態をチェックしてみましょう。
【監修】院長 元島慧
○院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
○参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了
2018年 ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了
2018年 大森塾7期 (総合治療)修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了
2021年 CREDセミナー (保存治療)修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
2022年 日本顎咬合学会認定医取得
所属学会・スタディグループ
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医
大森塾
CERI Club
General endo
FDP