妊婦さんのための歯科検診①
みなさん、こんにちは!
本町医院 竹村歯科です!
クリスマスイブですね 🙂
みなさんはどうお過ごしですか?
家族でケーキ?
恋人とケーキ?
楽しみましょう!
さて、今日は私の双子の姪っ子の誕生日ということもありまして、
「妊婦さんのための歯科検診」について説明させていただこうと思います。
よろしくおねがいいたします。
妊娠中に起こりやすい口腔トラブル
妊娠性歯肉炎
妊娠中は、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌が増加します。
これらのホルモンは歯茎の血管を拡張させ、炎症を起こしやすくします。
その結果、歯茎が赤く腫れ、出血しやすくなる「妊娠性歯肉炎」が起こりやすくなります。
特に妊娠2ヶ月から3ヶ月頃から症状が現れ、妊娠8ヶ月頃にピークを迎えることが多いです。
放置すると歯周病へと進行するリスクがあります。
つわりによる口腔環境の悪化
つわりがひどい時期は、歯磨きをすると吐き気を催すため、十分な口腔ケアができなくなります。
また、嘔吐により胃酸が口の中に逆流すると、酸によって歯のエナメル質が溶かされる酸蝕症のリスクが高まります。
さらに、つわりで食事が不規則になり、少量ずつ頻繁に食べるようになると、口の中が常に酸性に傾き、むし歯になりやすい環境になります。
唾液の質と量の変化
妊娠中は唾液の分泌量が減少したり、唾液の質が変化したりすることがあります。
唾液には口腔内を洗浄し、細菌の繁殖を抑える働きがありますが、この自浄作用が低下すると、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
また、口の中がネバネバして不快に感じることもあります。
妊娠性エプーリス
妊娠中のホルモン変化により、歯茎に良性の腫瘍のようなコブができることがあります。
これを妊娠性エプーリスといいます。
多くの場合、出産後に自然に小さくなりますが、大きくなりすぎると食事や歯磨きの妨げになることがあります。
出血しやすく、見た目も気になるため、必要に応じて除去することもあります。
妊婦歯科検診を受けるメリット
早期発見・早期治療
妊娠中は口腔トラブルが起こりやすい時期ですが、歯科検診を受けることで、むし歯や歯周病を早期に発見できます。
初期段階で発見できれば、簡単な処置で済み、母体への負担も最小限に抑えられます。
また、出産後は赤ちゃんのお世話で忙しくなり、自分の歯科治療に時間を割くことが難しくなります。
妊娠中に口腔内を健康な状態にしておくことが大切です。
低体重児出産や早産のリスク軽減
歯周病の妊婦さんは、健康な歯茎の妊婦さんに比べて、低体重児出産や早産のリスクが約7倍高いという研究結果があります。
歯周病菌が産生する炎症性物質が血液を通じて子宮に到達し、子宮収縮を引き起こす可能性があるためです。
歯科検診で歯周病を早期に発見し、適切な治療を受けることで、これらのリスクを軽減できます。
赤ちゃんへのむし歯菌感染予防
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、むし歯菌は存在しません。
主に母親からのスキンシップや食器の共有などを通じて感染します。
妊娠中に母親の口腔内のむし歯菌を減らしておくことで、赤ちゃんへの感染リスクを大幅に軽減できます。
母親の口腔環境が清潔であれば、赤ちゃんがむし歯になりにくい状態を作ることができます。
適切な口腔ケア方法の指導
妊娠中は体調や生活習慣が変化するため、通常とは異なる口腔ケアが必要になることがあります。
歯科検診では、妊婦さん一人ひとりの状態に合わせた歯磨き方法や、つわり時期の対処法などを指導してもらえます。
また、出産後の赤ちゃんの口腔ケアについてもアドバイスを受けられます。
不安の解消と精神的安心
妊娠中は些細なことでも不安になりがちです。
歯科検診を受けることで、口腔内の状態を専門家に確認してもらい、問題がないことを確認できれば、安心して妊娠生活を送ることができます。
また、何か問題があった場合でも、適切な対処法を知ることで不安が軽減されます。
歯科検診を受ける適切な時期
妊娠初期(妊娠4ヶ月まで)
妊娠初期はつわりがある時期で、歯科治療のために長時間診察台に座ることが難しい場合があります。
また、流産のリスクが比較的高い時期でもあるため、緊急性のない治療は避け、検診や簡単なクリーニング程度に留めることが多いです。
ただし、痛みや腫れなどの急性症状がある場合は、我慢せずに受診しましょう。
妊娠中期(妊娠5ヶ月から7ヶ月)
妊娠中期は、いわゆる安定期と呼ばれる時期で、歯科検診や治療を受けるのに最も適しています。
つわりも落ち着き、お腹もまだそれほど大きくないため、診察台に座ることも比較的楽です。
この時期に歯科検診を受け、必要な治療を済ませておくことをお勧めします。
多くの自治体の妊婦歯科検診も、この時期の受診を推奨しています。
妊娠後期(妊娠8ヶ月以降)
妊娠後期になると、お腹が大きくなり、仰向けの姿勢を長時間保つことが困難になります。
また、子宮が大きくなって大静脈を圧迫し、血圧が下がる仰臥位低血圧症候群のリスクもあります。
この時期の治療は、緊急性の高いものに限定し、出産後に改めて治療を受けることが一般的です。
ただし、検診自体は受けることができます。
みなさんにとって、最高のメリークリスマスを!
【監修】院長 元島慧
○院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
○参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了
2018年 ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了
2018年 大森塾7期 (総合治療)修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了
2021年 CREDセミナー (保存治療)修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
2022年 日本顎咬合学会認定医取得
所属学会・スタディグループ
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医
大森塾
CERI Club
General endo
FDP