歯ぎしり・食いしばりが歯を壊す前に ― いますぐできるセルフチェックと歯科医院での最新ケア ―
- 2025年11月24日
- かみ合わせ、咬合治療,未分類
こんにちは♪
本町医院 竹村歯科です★
朝起きたときに「顎がだるい」「奥歯が変な感じがする」。
そんな経験はありませんか?
実はそれ、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりが原因かもしれません。
歯ぎしりは一般的に“ストレスの現れ”と言われますが、
最近では噛み合わせ・姿勢・生活習慣など、多くの要因が関わることもわかってきました。
放置すると、歯が欠けたり、かぶせ物が取れたり、顎関節症につながるなど、
気づかないうちに“歯の寿命”を縮めてしまうこともあります。
今回は、今日から実践できるセルフチェックと対策、
そして歯科医院で受けられる専門的な治療まで、わかりやすくまとめてご紹介します。
■ 歯ぎしり・食いしばりの種類
一口に“歯ぎしり”と言っても、実は3タイプあります。
- グラインディング:上下の歯をこすり合わせる(ギリギリ音がする)
- クレンチング:強く噛みしめる(音はしないが力が強い)
- タッピング:カチカチと歯を打ち付ける
特に注意したいのは、音が出ないクレンチング。
「私は歯ぎしりしてないよ」という方でも、実は静かに歯を壊しているケースが多いのです。
■ あなたも当てはまるかも?セルフチェック
次の項目、いくつ当てはまりますか?
- 朝起きると顎が疲れている
- 歯が欠けたり、ヒビが入ったことがある
- かぶせ物がよく外れる
- 頭痛や肩こりが慢性的にある
- 頬の内側に白い線(咬合線)がある
- 舌の縁にギザギザした跡がつく
- 家族に「寝てるとき歯ぎしりしてたよ」と言われた
- 無意識のうちに上下の歯が触れている
ひとつでも思い当たれば、“食いしばり癖”の疑いがあります。
特に、舌の跡・咬合線・詰め物破損は、歯科医から見ると“要注意サイン”です。
■ 放置するとどうなる?
睡眠中の噛む力は、なんと体重の2〜3倍。
この強い力が毎日かかると、次のようなトラブルを招きます。
- 歯の欠け・破折(最悪抜歯が必要に)
- 詰め物や被せ物が外れやすくなる
- 歯周病の悪化
- 顎関節症(口が開けづらい・音がする)
- 慢性的な頭痛や肩こり
- エラの張り(咬筋肥大による顔貌変化)
歯ぎしりは“クセ”ではなく“症状”。
早めの対策が、歯を守る大きな分岐点になります。
■ 今日からできるセルフケア
● ① 「歯を離す」習慣をつける
上下の歯は、食事中以外は1〜2mm離れているのが正常。
でも現代人はPCやスマホの影響で、無意識に歯を接触させがちです(TCH)。
ポイントは、
- 歯は離す
- 舌は上顎につける
- 唇は軽く閉じる
たったこれだけで、顎の負担は大きく軽減します。
● ② 咬筋(エラ部分)のマッサージ
食いしばりの強い方は咬筋がカチカチになっています。
やり方は簡単👇
- 奥歯を軽く噛んでエラが盛り上がる場所を確認
- その部分を指でゆっくり円を描くようにほぐす
- 30秒ほど左右行う
寝る前にこれだけでも、翌朝の顎のだるさが軽くなります。
● ③ 姿勢を整える
スマホ首・猫背は食いしばりを悪化させます。
首をすっと伸ばし、肩を軽く後ろに引くだけでOK。
● ④ 寝る前のリラックス
ストレスは歯ぎしりの大きな誘因。
- 深呼吸
- 軽いストレッチ
- お風呂に浸かる
- 寝る前のスマホ制限
など、眠る前を“ほぐす時間”にすると予防効果が高まります。
■ 歯科医院でできる専門ケア
セフルケアだけで改善しない場合や、歯や顎へのダメージが大きい場合には、
歯科医院での専門的な治療を組み合わせると効果が大きく高まります。
● ① オーダーメイドのマウスピース(ナイトガード)
もっとも基本で、効果が高いのが個人の噛み合わせに合わせたナイトガードです。
メリットは、
- 歯のすり減りや亀裂の予防
- 顎関節への負担軽減
- 咬筋の過度な緊張が起きにくくなる
- かぶせ物・詰め物の長持ちに繋がる
既製品と違い、ズレない・外れにくい・痛くないので継続しやすいのが特徴です。
● ② 咬筋ボトックス(噛む筋肉の力をやさしく弱める)
咬筋という大きな筋肉が発達しすぎると、
睡眠中に“過剰な力”が加わり、歯や顎へ深刻なダメージを与えます。
ボトックスを適量注射することで、
- 過度な噛む力を抑える
- 顎の疲れや痛みを軽減
- 歯の破折リスクを下げる
- エラ張りが改善してフェイスラインがすっきり
といった効果が期待できます。
「ナイトガードだけでは改善しきれない」
「朝起きたときの顎の疲れが強い」
そんな方には特に相性の良い治療です。
■ 自宅ケア × 歯科医院ケア = 最強の予防
歯ぎしりは、
生活習慣(セルフケア)+専門治療(マウスピース・ボトックス)
の併用で、効果を最大化できます。
歯は一度削れたり割れたりすると、元には戻りません。
「なんとなく気になる…」と感じたタイミングこそ、対策のベストタイミングです。
■ まとめ
歯ぎしり・食いしばりは、誰にでも起こりうる“無意識のクセ”ですが、
放置すれば歯を大きく傷つけてしまうこともあります。
- セルフチェックで現状を知る
- 日常の“歯を離す習慣”をつける
- 顎や姿勢を整える
- ナイトガードやボトックスで負担を軽減する
この4つを意識するだけで、歯と顎の健康は驚くほど守れます。
「もしかして私も…?」と思ったら、気軽にご相談くださいね。
あなたの歯を長く守るために、最適な方法を一緒に考えます。
【監修】院長 元島慧
○院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
○参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了
2018年 ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了
2018年 大森塾7期 (総合治療)修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了
2021年 CREDセミナー (保存治療)修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
2022年 日本顎咬合学会認定医取得
所属学会
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医