「抜かずに残す」時代の歯科治療 ― あなたの歯を守るためにできること|本町医院 竹村歯科|大阪本町の歯科クリニック

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本町医院 竹村歯科の医療コラム

「抜かずに残す」時代の歯科治療 ― あなたの歯を守るためにできること|本町医院 竹村歯科|大阪本町の歯科クリニック

「抜かずに残す」時代の歯科治療 ― あなたの歯を守るためにできること

こんにちは♪

本町医院 竹村歯科です!

さて今日のお話ですが、

昔は「歯が痛くなったら抜くしかない」と言われることも珍しくありませんでした。

しかし今の歯科医療は、できる限り歯を残すことが前提です。

技術も材料も飛躍的に進化し、かつては抜歯が当たり前だった歯でも「まだ残せる可能性」がある時代になりました。

今回は、“歯を抜かずに残すための最新治療”について、解説します。

■ なぜ歯を残すことが大切なのか?

歯は単なる「白いパーツ」ではなく、噛む力・発音・顔のバランスを支える大切な器官です。

1本でも失うと、隣の歯が傾いたり、噛み合わせがずれたり、顔の印象まで変わってしまいます。

さらに、インプラントや入れ歯で機能を補えても、天然の歯の感覚や支える骨の健康までは完全に取り戻せません。

だからこそ、私たち歯科医師は「どうすればこの歯を残せるか?」を最初に考えます。

そして今、そのための選択肢が確実に増えているのです。

■ 歯を残すための代表的な治療法

● 根管治療(歯の神経の治療)

虫歯や感染が歯の神経まで及んだ場合、根管治療(こんかんちりょう)によって神経を除去し、内部を洗浄・消毒・封鎖します。

かつては再発が多い治療でしたが、現在はマイクロスコープ(顕微鏡)やニッケルチタンファイルの登場で、より確実な処置が可能になりました。

治療の精度が高まることで、「もう抜くしかない」と言われた歯が残せるケースも少なくありません。

● 歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)

根管治療をしても治らない場合、歯根の先に病変(膿の袋)ができていることがあります。

その部分だけを外科的に切除して治すのが「歯根端切除術」です。

小さな傷口からアプローチでき、MTAセメントなどの高い封鎖性をもつ材料を使うことで再発リスクを下げられます。

「根の先だけが悪い」場合には非常に有効な選択肢です。

● 意図的再植(いとてきさいしょく)

一度歯を抜き、根の先の処置をしてから自分の歯を元の位置に戻すという治療です。

歯を抜いて処置するため、目視で確実に汚染部位を除去できるのが特徴。

丁寧に扱えば歯根膜も再生し、長期的に安定するケースも多く報告されています。

歯根端切除では届かない位置に病変がある場合などに選ばれます。

● 自家歯牙移植(じかしがいしょく)

もし親知らずや使っていない歯がある場合、その歯を別の場所へ移植することも可能です。

例えば、奥歯を失った部分に自分の親知らずを移植するなど。

人工物ではなく自分の歯で噛めるというのは、大きなメリットです。

歯根の形や生え方など条件が合う必要はありますが、「第二のチャンス」を与える治療法として注目されています。

■ 進化する材料と機器

ここ10年ほどで、歯を残す治療に使う材料・機器は大きく進歩しました。

  • MTA(Mineral Trioxide Aggregate)セメント
     高い封鎖性と生体親和性をもち、神経保存や根尖部の封鎖に使われます。
  • マイクロスコープ
     肉眼では見えない亀裂や側枝を確認でき、精密な治療を実現します。
  • CBCT(歯科用3Dレントゲン)
     根の形や病変の位置を立体的に把握でき、確実な診断と計画をサポートします。

これらの技術が組み合わさることで、歯科医師が「治せる」と判断できるケースが着実に増えているのです。

■ 歯を残す治療が難しいケースもある

もちろん、すべての歯が残せるわけではありません。

歯根の割れ(破折)や、歯を支える骨が大きく溶けてしまった場合は、予後が不安定になることもあります。

その際には、**「残すリスク」と「抜いて再建するメリット」**をしっかり比較して判断することが大切です。

大切なのは「抜くか、残すか」ではなく、

あなたの歯をどれだけ長く、健康に保てるかという視点です。

■ 治療後に大切なこと

せっかく歯を残せても、その後のケアを怠ると再感染してしまうことがあります。

治療後は以下の点を心がけましょう。

  • 定期的なメンテナンスを受ける
  • 噛み合わせや詰め物のズレを早めにチェックする
  • 就寝時の歯ぎしり対策(ナイトガードなど)を行う
  • プラークコントロールを徹底し、歯周病を防ぐ

治療後のケアこそ、歯を長く守る最大の鍵です。

■ まとめ ― あなたの歯を諦める前に

「もう抜くしかない」と言われても、近年は**“残す治療”の可能性**が大きく広がっています。

マイクロスコープやMTA、精密な再植・外科処置など、選択肢は確実に増えています。

歯は、一本一本がかけがえのない財産。

迷ったときは、まず“残せるかどうか”を相談してみてください。

本町医院 竹村歯科では、あなたの歯を守るための最善の方法を一緒に考えます。

ぜひ一度ご相談ください🎶

院長経歴

2012年 歯学部卒業

2016年 大阪市内にて勤務

2020年 竹村歯科 本町医院院長就任

参加セミナー

2016年  大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了

2017年  明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了 

2017年  i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了

2017年  大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了

2017年  山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了

2017年  山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加

2018年  大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了

2018年  牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了

2018年  ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了

2018年  ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了

2018年  第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了

2018年  大森塾7期   (総合治療)修了

2019年  大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了

2019年  山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了

2021年  CREDセミナー (保存治療)修了

2022年  臨床歯科麻酔管理指導医取得

所属学会

日本臨床歯科学会

日本顎咬合学会 認定医

日本顕微鏡歯科学会

臨床歯科麻酔管理指導医