知覚過敏について②
みなさん、こんにちは!
竹村歯科 本町医院です。
みなさんはお盆休みどうお過ごしですか?
お仕事の方も帰省される方も熱中症にはお気をつけくださいね 🙂
今回は、「知覚過敏について②」を説明させていただこうと思います。
よろしくおねがいいたします!
知覚過敏の原因
知覚過敏は、象牙質が露出することで発生します。
象牙質が露出する主な原因としては、以下のようなものが挙げられます
歯肉退縮
加齢や不適切な歯磨き方法(強い力での横磨きなど)、歯周病などにより、歯肉が下がって歯の根元部分が露出することがあります。
歯の根元部分はエナメル質で覆われておらず、薄いセメント質という物質で覆われているだけなので、歯肉退縮によってこの部分が露出すると知覚過敏が生じやすくなります。
エナメル質の摩耗・欠損
- 過度の歯磨き:硬い毛の歯ブラシを使用したり、強い力で磨いたりすることによる摩耗
- 歯ぎしり・食いしばり:睡眠中や日中の歯ぎしりや食いしばりによる歯の摩耗
- 酸蝕症:酸性食品・飲料の過剰摂取や胃酸の逆流によるエナメル質の溶解
- 加齢:長年の使用によるエナメル質の自然な摩耗
歯科治療後
- 歯のホワイトニング:漂白剤の成分が象牙質に浸透して一時的な知覚過敏を引き起こすことがある
- スケーリング・ルートプレーニング:歯石除去や歯根面清掃の後に一時的に症状が出ることがある
- 歯の修復治療:詰め物や被せ物の周囲から知覚過敏が生じることがある
知覚過敏の診断方法
問診
まず、痛みの性質、誘発要因、持続時間などについて詳しく聞き取りを行います。
知覚過敏特有の一過性の痛みであるか、他の歯科疾患による痛みであるかを判断するために重要な情報です。
視診・触診
歯肉退縮の有無、エナメル質の摩耗状態、詰め物や被せ物の状態などを確認します。
また、探針という先の細い器具で歯の表面をなぞり、知覚過敏の症状が再現されるかを調べることもあります。
歯髄生活反応検査
電気歯髄診や温度診などで歯の神経の状態を調べ、知覚過敏と虫歯や歯髄炎などの他の疾患との鑑別を行います。
レントゲン検査
必要に応じてレントゲン撮影を行い、虫歯や根尖病変などの他の原因がないか確認します。
知覚過敏の治療法
自宅でのケア
- 知覚過敏用歯磨剤の使用:硝酸カリウムやフッ化物などの成分が含まれた専用の歯磨剤を継続的に使用することで、症状が緩和されることがあります。これらの成分は象牙細管を塞いだり、神経の興奮を抑制したりする働きがあります。
- 適切な歯磨き方法:柔らかめの歯ブラシを選び、強い力をかけずに優しく磨くことが重要です。特に知覚過敏がある部位は丁寧に扱いましょう。
- 刺激物の回避:極端に冷たい飲食物や酸性の強い食品を避けることで、症状の悪化を防ぐことができます。
歯科医院での治療
- 知覚過敏抑制剤の塗布:フッ化物やシュウ酸などの薬剤を塗布して象牙細管を封鎖し、外部刺激から保護します。
- レジンコーティング:露出した象牙質の表面を樹脂(レジン)で覆い、外部刺激を遮断します。
- 歯周形成手術:歯肉退縮が著しい場合、歯肉を移植して露出した歯根面を覆う手術を行うことがあります。
- 神経の除去(根管治療):他の方法で改善しない非常に重度の場合、最終手段として神経を除去する治療が行われることもありますが、これは通常の知覚過敏の治療としてはあまり一般的ではありません。
知覚過敏の予防法
適切な歯磨き方法
- 力加減:強い力で磨くと、エナメル質の摩耗や歯肉退縮の原因になります。軽い力で丁寧に磨くことを心がけましょう。
- 歯ブラシの選択:硬すぎる歯ブラシは歯や歯肉を傷つける可能性があります。柔らかめから普通の硬さの歯ブラシを選びましょう。
- 磨き方:横磨きは歯や歯肉に負担をかけます。45度の角度で歯と歯肉の境目を意識した縦磨きか、小さく円を描くように磨く方法がおすすめです。
食生活の見直し
- 酸性食品・飲料の摂取制限:柑橘類、炭酸飲料、ワインなど酸性度の高い食品・飲料の過剰摂取を避けましょう。摂取後は、すぐに歯を磨かず、水でうがいをするか30分程度時間を空けてから歯磨きをすることが望ましいです。
- バランスの良い食事:カルシウムやリンなどのミネラルを豊富に含む食品を摂取し、歯の再石灰化を促しましょう。
歯ぎしり・食いしばりの対策
歯ぎしりや食いしばりがある場合は、ナイトガード(マウスピース)の使用を検討しましょう。
定期的な歯科検診
定期的に歯科検診を受けることで、初期段階で問題を発見し、適切な対処を行うことができます。
また、プロフェッショナルクリーニングを受けることで、歯の健康を維持することができます。
【監修】院長 元島慧
○院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
○参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了
2018年 ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了
2018年 大森塾7期 (総合治療)修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了
2021年 CREDセミナー (保存治療)修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
2022年 日本顎咬合学会認定医取得
所属学会
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医