マウスピースとボトックス
- 2025年3月24日
- かみ合わせ、咬合治療
こんにちは♪本町医院 竹村歯科です!
最近何度か投稿しておりますが、
お悩みが増えてるので少し内容を変えてお話しさせていただきます。
歯ぎしりについてです!
歯ぎしり(ブラキシズム)は、睡眠中や日中に無意識に歯を強く噛みしめたり、こすり合わせたりする習慣です。これは、歯や顎関節、筋肉に負担をかけ、さまざまな口腔トラブルを引き起こします。
歯ぎしりの主な種類
1. グライディング(歯をこすり合わせるタイプ)
• 上下の歯を強くすり合わせる動作で、歯の表面がすり減りやすくなります。
2. クレンチング(噛みしめるタイプ)
• 強く食いしばる習慣で、歯に強い圧力がかかり、顎関節症の原因になりやすいです。
3. タッピング(カチカチと噛むタイプ)
• 短時間で歯を小刻みに噛み合わせる動作です。
なぜ歯ぎしりが問題なのか?
歯ぎしりは放置すると、以下のような問題を引き起こします。
1. 歯の摩耗や破損
• 強い摩擦により、歯のエナメル質が削れ、知覚過敏になったり、歯が割れることもあります。
2. 顎関節症の原因
• 長時間の噛みしめが顎関節に負担をかけ、顎の痛みや開閉のしづらさを引き起こします。
3. 筋肉の緊張と頭痛・肩こり
• 咬筋(噛む筋肉)が常に緊張することで、頭痛や肩こりの原因になります。
4. 歯周病の悪化
• 強い圧力が歯ぐきにダメージを与え、歯周病の進行を早めることがあります。
歯ぎしりの治療法:マウスピースとボトックスの選択肢
歯ぎしりの治療には、主に マウスピース(ナイトガード) や ボトックス治療 が用いられます。それぞれの治療法の特徴を詳しく説明します。
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1. マウスピース(ナイトガード)による治療
マウスピースとは?
マウスピース(ナイトガード)は、歯ぎしりや食いしばりによるダメージを軽減するために、就寝時に装着する医療用の装置です。
マウスピースの効果
1. 歯の摩耗や破損を防ぐ
• 歯ぎしりの衝撃をマウスピースが吸収し、直接歯が削れるのを防ぎます。
2. 顎関節の負担を軽減する
• 適切な咬み合わせを維持し、顎関節症のリスクを減らします。
3. 筋肉の緊張を和らげる
• 過度な咬筋の収縮を防ぎ、肩こりや頭痛の軽減につながります。
マウスピースの種類
• ハードタイプ:耐久性が高く、強い歯ぎしりにも適しています。
• ソフトタイプ:比較的軽度の歯ぎしりや食いしばりに向いています。
マウスピースのデメリット
• 装着感に慣れるまで時間がかかることがあります。
• 破損や劣化するため、定期的な交換が必要です。
• 根本的な原因を解決するわけではないため、歯ぎしりの習慣自体は続く可能性があります。
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2. ボトックス治療によるアプローチ
ボトックスとは?
ボトックス(ボツリヌストキシン)は、筋肉の働きを一時的に弱める薬剤です。美容医療ではシワ取りに使用されますが、歯ぎしり治療にも応用されています。
ボトックスの効果
1. 咬筋の過剰な緊張を緩和
• ボトックスを咬筋に注射することで、筋肉の力を弱め、歯ぎしりや食いしばりを抑えます。
2. 顎関節症の改善
• 筋肉の緊張が和らぐことで、顎関節の負担が減少し、痛みの軽減が期待できます。
3. フェイスラインの改善
• 過度な噛みしめが原因で咬筋が発達し、エラが張ることがありますが、ボトックスによりスッキリしたフェイスラインを実現できます。
ボトックスの持続期間
ボトックスの効果は約 3~6ヶ月 持続し、その後は徐々に元の状態に戻ります。継続的な治療が必要ですが、回数を重ねることで筋肉が萎縮し、歯ぎしりが軽減されることもあります。
ボトックスのデメリット
• 一時的な効果のため、定期的な施術が必要です。
• 筋肉の動きが弱まることで、食事中に違和感を感じることがあります。
• 施術直後に軽い痛みや腫れが出ることがあります。
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マウスピースとボトックス、どちらを選ぶべきか?
・歯の摩耗が気になる方 → マウスピースがおすすめ
・噛みしめによる筋肉の発達や顎関節症が気になる方 → ボトックスが有効
・両方の症状がある方 → 併用することで最大限の効果が得られる
まとめ
歯ぎしりは、歯の摩耗、顎関節症、頭痛・肩こりなど、さまざまな問題を引き起こします。その治療法として マウスピースとボトックス があります。どちらを選ぶかは、症状やライフスタイルに合わせて決めるのが良いかもですが、結果両方併用が間違いはないです!笑
歯ぎしりの影響を最小限に抑え、健康な口腔環境を維持するために、適切な治療法を選びましょう。
比較項目 |
マウスピース(ナイトガード) |
ボトックス |
効果の持続性 |
破損しない限り継続的に使用可能 |
3~6ヶ月で効果が減少 |
即効性 |
慣れるまで時間がかかることがある |
2週間程度で効果が現れる |
歯の保護 |
直接的に歯を保護する |
直接の保護効果はない |
根本的な治療 |
根本原因を解決するわけではない |
筋肉の活動を抑制し、歯ぎしりの頻度を減らす |
副作用 |
異物感・破損のリスク |
軽い腫れ・違和感 |
【監修】院長 元島慧
○院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
○参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了
2018年 ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了
2018年 大森塾7期 (総合治療)修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了
2021年 CREDセミナー (保存治療)修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
2022年 日本顎咬合学会認定医取得
所属学会
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医