摂食嚥下 その29
- 2025年3月7日
- 摂食嚥下
皆さん、こんにちは。
竹村歯科 本町医院です。
嚥下障害のため胃瘻をしていて、口から食べ物を摂取していない場合の口腔ケアも大切です。
胃瘻とは、お腹の壁と胃の壁を通した小さな穴のことをいい、その穴にチューブを通して胃に直接栄養を入れる栄養投与の方法です。
誤嚥性肺炎は食べ物を誤嚥してなりますが、自身の唾液の誤嚥でもなってしまいます。
ただ、唾液を誤嚥している全員が肺炎になるわけではなく、口腔ケアが不十分で口の中が汚くなり、虫歯菌や歯周病菌を多く含んだ唾液を誤嚥してしまった場合です。
誤嚥のない高齢者では、虫歯や歯周病予防のための口腔ケアが必要です。
また、誤嚥のある高齢者では、唾液を出来る限りきれいに保つ口腔ケアが必要となります。
特に唾液の誤嚥は睡眠時に多いとされているため、就寝前の口腔ケアはとても大切です。
胃瘻の場合、口の汚れの大部分は食べ物のカスではなく、口腔内の粘膜が剥がれ落ちたものや、虫歯菌,歯周病菌といった菌の塊です。
これらは口から食べ物を摂取していなくても増えていくため、胃瘻の方でも口腔ケアは必須となります。
また、嚥下機能の回復を目的とし、食べ物を使わずに行う間接訓練もあります。
①リラクゼーション
上半身を中心にストレッチを行い、肩や首を回すなどして体をリラックスさせることで回復を目指します。
腕を左右に大きく広げたり、深呼吸をしたりするのも効果的です。
②口唇・舌・頰の訓練
頰を膨らませる、舌を前方へ出すなど口唇、舌、頬を動かして口周りの筋肉の動きをスムーズにし、筋力強化を図ることで回復を目指します。
③感覚向上訓練
凍らせた綿棒に水をつけて口腔内を程よく刺激するアイスマッサージを行うなど、口腔の感覚をよくする訓練です。食べ物を飲み込むとき、反射的に器官を閉じる嚥下反射を誘発させることを目指します。
④嚥下反射促通手技
嚥下に関わるあごから下の筋肉をマッサージして刺激し、嚥下運動を促進させるための訓練です。
直接訓練の際に口の中に食べ物が残っていてうまく飲み込めないときにも行う方法です。
⑤呼吸訓練
痰や食べ物が喉や気管に入ったとき、しっかり咳をして排出できるよう呼吸に使う筋力を鍛える訓練です。
腹式呼吸の練習を行うと、呼吸機能が高められます。
⑥発声訓練
大きな声で「パ・タ・カ・ラ」の4音を繰り返し発声します。
この4音を発声するときには食べ物を飲み込むときと同じ器官を使います。
嚥下に関わる器官を動かし、筋力アップや喉、舌のスムーズな動きを目指します。
良い週末を。
【監修】院長 元島慧
院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了
2018年 ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了
2018年 大森塾7期 (総合治療)修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了
2021年 CREDセミナー (保存治療)修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
2022年 日本顎咬合学会認定医取得
所属学会
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医