摂食嚥下 その24
- 2025年1月31日
- 摂食嚥下
皆さん、こんにちは。
本町医院 竹村歯科です。
認知症でみられる摂食嚥下障害の特徴は、
①摂食開始困難
②摂食中断
③食べ方の乱れ
が挙げられます。
①の摂食開始困難とは、失行や失認などにより主体的に食べ始めることができないことを言います。
食べ物を一口摂取することで食べ物と認識できたり、前歯で咬むなどの刺激や、食具を手に持つことのきっかけをつくることで、その後は持続して摂食できることもあります。
②の摂食中断とは、摂食動作が止まり自ら摂食を再開できないことを言います。これらは、雑音や環境内の過剰刺激によって、食事への注意を維持できずに生じます。また食事中の居眠り、誤嚥や疲労、便秘など体内環境の変化によっても、摂食が中断されることもあります。
認知症の方にとっての体内外の環境における刺激の質と量を調整し、食事に専念できるよう環境を整えることで、摂食中断も改善できることがあります。
③の食べ方の乱れとは、一口量を適量すくえない、あるいは早食いなど食べ方に支障をきたす状態を言います。
事前に適切な一口量をカットして提供したり、食具のサイズの調整をしたりすることで改善できる場合があります。
また、嚥下障害による症状には以下のものも挙げられます。
①食事中によくむせる
汁物や水分に固形物が入った食べ物は特にむせやすく、唾液でも咳き込む場合があります。
②食べることに疲れる
食べ物を飲み込むまでに時間がかかることで食事時間も長くなり、食べることに疲れを感じてしまいます。
③最後まで食べきれない
食べられるものが限られることで食事への意欲が低下し、食事中に疲労を感じて最後まで食べきれない場合があります。
④食事内容が変わる
固形物などのよく噛んで飲み込まないといけない食品を避けるようになり、あまり噛む必要のない軟らかいものを好んで食べるようになります。
⑤食べ方が変わる
口から食べ物をよくこぼすようになり、上を向いて食べたりするなど食べ方に変化が現れることがあります。
⑥食べ物が口の中に残る
食べ物を口の中でずっとためこんでいたり、なかなか飲み込まなかったりするなどの影響が出る場合があります。
⑦食後に声が枯れる
口の中に食べ物が残ることから、痰が絡みやすくなり、声が枯れてガラガラ声になる場合があります
良い週末を。
【監修】院長 元島慧
院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了
2018年 ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了
2018年 大森塾7期 (総合治療)修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了
2021年 CREDセミナー (保存治療)修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
2022年 日本顎咬合学会認定医取得
所属学会
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医