顎関節症について
- 2024年12月23日
- その他,かみ合わせ、咬合治療
こんにちは♪
本町医院 竹村歯科です!
本日は顎関節症についてお話しします⭐︎
①顎関節症とは
顎関節症とは口を開こうとすると顎関節
(耳の穴の前にあります)や
顎を動かす筋肉が痛む、
あるいは十分には大きく口を開けられない、
または口の開け閉めで顎関節に音がする、
という症状がでる病気です。
一生の間、二人に一人は経験すると言われているほど多くの方が経験します。
症状が音だけであった場合、
これは首を回したり、
肩を動かして音が出るという状況と同じです。そのような音を気にして整形外科を受診する人はいないと思いますが、顎関節の場合、耳のすぐ隣にあるために「音が気になる」という人がいます。
しかしこの音を消すためには手術が必要になることから、世界的には「音だけであるなら手術すべきではなく、治療する必要はない」とされています。
ですから顎関節症の症状が始まったとしても、痛みや口の開けにくさが一時的だったとか、
音だけで他の症状がなければ治療の必要はないかもしれません。
ちなみに、音だけであれば最低でも人口の20%近くの人は顎関節の音を持つとされています。また顎関節や顎を動かす筋肉の痛み、
あるいは顎関節症による口の開けにくさで、
実際に治療が必要になる人は症状を自覚した人の中の5%程度と推定されています。
医療機関に来院される患者さんでは女性が多く、年齢は10歳代後半から増加しますが、
20~30歳代で最大になり、その後は年齢が増えるとともに来院する患者さんは減少します。
②顎関節症の代表的な症状
* 顎関節やその周辺に異常を感じる。
食べ物を噛む時に痛みや異常を感じる。
* 食事をしているとあごがだるい、
口を動かすと顎関節に痛みがある、
噛みしめると顎関節が痛い
* 口を開けたり閉じたりする時に
顎関節でカックン、コッキンというような
音がする。
* 口が開けにくくなったり、
口の開閉をスムーズに行うことができない。
* 口が左右にうまく動かない、開けにくい、
あごが外れることがある。
③顎関節症のステージ分類
・I型(咀嚼筋痛障害)
主にあごの筋肉(咬筋・側頭筋など)の「使いすぎ」が原因のいわゆる「筋肉痛」です。
咬筋は頬、側頭筋はこめかみに痛みを生じるので、こめかみの痛みから頭痛と訴える患者さんもいます。これは、筋マッサージやあごの安静で治療します。
・II型(顎関節痛障害)
関節靭帯の異常で、簡単にいうと「あごのねんざ」です。
無理に口を開けすぎたり、
固いものを食べたり、
歯ぎしりや食いしばりでも生じます。
顎関節は耳の穴の直前にあるため
「耳の痛み」と思い、
耳鼻咽喉科を受診される患者さんもいます。
あくびは控える、固いものは避ける、
食事は小さくカットしてあまり大きく口を開けないでいいようにするなど、
可能な限りあごを安静にして治療します。
・III型(顎関節円板障害)
関節円板の異常です。
関節円板とは、上あごの骨と下あごの骨の間に存在する、クッションのような役割をする組織です。
III型の患者さんは関節円板の位置がずれてしまっているため、
口を開けると「カクカク」「ポキポキ」といった「関節雑音」を伴います。
しかし、症状が「関節雑音」だけの場合は特に治療の必要はありません。
一方で、関節円板のずれがひどくなると
「関節雑音」が消失して
「開口障害」が出現します。
この場合、一般的にマウスピース治療を行ないますが、効果が不十分な場合には、歯学部付属病院の顎関節専門外来などで、より専門的な治療を行なうことがあります。
・IV型(変形性顎関節症)
関節を構成する下顎骨の関節突起の変形によるものです。
このタイプは症状だけでは診断困難です。
そのため、顎関節症で来院された患者さんの診断は、
まず、あごのレントゲンを撮影して骨の変形がないか調べるところからスタートします。
変形した骨を元通りにすることは困難なので、「痛みなく」「十分に口が開く」ことを目標にマウスピース治療や開口訓練を行ないます。
③顎関節症の原因
いろいろな原因が考えられますが、
上下の歯の噛み合わせの異常による場合が多いようです。
また精神的緊張やストレスがあごの周りの筋肉を緊張させ噛み合わせがアンバラスになり、無理な力が関節にかかり顎関節に負担をかけることもあります。
歯ぎしりも顎の関節に大きな負担をかけます。さらに全身的問題、例えば生まれつき関節に問題のある人や、
関節に外傷を受けたことがあるかどうかなどが原因となることもあります。
顎関節症の誘因としては原因が1つだけではなく、複数の原因が微妙にからみあっていろいろな症状がでることが多いようです。
診断学の進歩によって、部分的には明らかにされましたが、いまだにわからない点も多く残っているのが現状です。
一般的に言われる原因は
* 急激なストレス(精神的な緊張は、筋肉を緊張させます)
* 歯ぎしり
* 何かに熱中したり緊張して強くくいしばる
(一日中スポーツをした。冷房が寒くて歯をくいしばった、特別な行事で緊張してくいしばった)
* 唇や頬の内側をかむ癖がある
* 頬杖、うつ伏せ寝、不良姿勢(例 : 猫背)
* 顔面打撲や事故による外傷
* 入れ歯や歯にかぶせたものが体にあっていない(悪い噛み合わせ)
* 大口を開けたり、硬いものを噛んだ(アゴの酷使)
* 左右どちらか一方でばかり噛む癖がある、片側の歯が悪いため反対の歯だけで食べ物を噛む
* うつ、不安因子がある 、睡眠障害(ストレスで夜よく眠れない)顎関節
④顎関節症の治療法
噛み合わせを治すことが一番重要です。
例えばスプリント(マウスピースのようなもの)を上あごあるいは下あごにいれ、
上下の噛み合わせが均等に接するようにします。
そうすると顎の関節頭が正しい位置に戻り、
筋肉の緊張がとれ、スムーズに動かすことができるようになります。
さらに微調整をくり返し症状が取れた段階で
必要があれば、入れ歯やクラウンと言うかぶせ物などを入れたりする事で、噛み合わせの関係を治したりします。
また重症の場合は手術による治療を行うこともあります。
手術の場合には大学病院へ紹介となります。
以上の、ように顎関節症には様々な症状や原因、治療法があります。
気になっておられる方はお気軽にお声掛けください♪
【監修】院長 元島慧
院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了
2018年 ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了
2018年 大森塾7期 (総合治療)修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了
2021年 CREDセミナー (保存治療)修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
2022年 日本顎咬合学会認定医取得
所属学会
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医