摂食嚥下 その17
- 2024年11月29日
- 摂食嚥下
皆さん、こんにちは。
本町医院 竹村歯科です。
認知症の種類によっても食事拒否をする理由は異なります。
①アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症の場合は脳全体が萎縮して認知機能が低下する症状が原因で食事拒否があらわれます。
失認により食べ物であることを認識できない、失行によりお箸の持ち方や使い方がわからなくなるなどが食事拒否の理由になります。
②レビー小体型認知症
レビー小体型認知症の場合は幻視やパーキンソン病のような症状が原因で食事拒否があらわれます。
手の震えによってお箸やスプーンが使いにくく食べ物がうまく掴めない、幻視の症状によって料理の中に虫が入っているように見えるなどの理由で食事拒否があらわれます。
③血管性認知症
血管性認知症の場合は、脳梗塞や脳出血などによって脳がダメージを受けた部分の違いで食事拒否の症状が異なります。
身体の麻痺によってお箸やスプーンを使うことが難しいことが理由の場合、麻痺によって口が開きにくく食べにくいことが理由で食事拒否があらわれることもあります。
継続的に食べてもらうためには、
1、食材・食器を工夫
食べやすいように食材の大きさや固さを工夫します。
また、認知機能が低下している人は、お皿の柄と食べ物の区別がつきにくいことがあるので、無地のシンプルな食器を使うこともあります。
2、好きなメニューを提供
栄養のバランスがもちろん大切ですが、口に合わない物ばかりだと食欲を出させるのは難しいです。
好きなメニューをベースにして、少しずつ他の食べ物も提供するようにします。
3、毎日の体調管理
毎日の体調管理も大切です。
便秘でお腹に不快感があり食欲がないこともあります。
口腔内の不快感や痛みから食欲がわかないこともあります。
日頃から口腔ケアをしっかり行い、毎日の食事を楽しめるようにします。
4、落ち着いて食事できる環境づくり
テレビの音が気になる、反対に静かすぎて落ち着かないなどが原因で食事に集中できず食べなくなってしまうことがあります。
これまでの生活習慣に合わせ、本人がリラックスして食事ができる環境をつくることが大切です。
またテーブルの高さを合わせる、椅子の高さを調整するなど、食べやすい姿勢をとる工夫も忘れずに行います。
食べやすい姿勢は、食事を楽しんでもらうためだけでなく誤嚥防止にもつながります。
5.無理強いしない
食事をとらないからといって、無理強いは禁物です。
強引に食事を勧める、食べないことを責めるなどすると、さらに食事の時間がストレスとなり食事拒否を強めてしまいます。
無理やり食べさせてしまうと誤嚥を引き起こす可能性にもつながります。
食事介助をするときは、見守る姿勢でいることが大切です。
良い週末を。
【監修】院長 元島慧
院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了
2018年 ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了
2018年 大森塾7期 (総合治療)修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了
2021年 CREDセミナー (保存治療)修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
2022年 日本顎咬合学会認定医取得
所属学会
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医