摂食嚥下 その16
- 2024年11月22日
- 摂食嚥下
皆さん、こんにちは。
本町医院 竹村歯科です。
認知症の症状が進行すると、食事を勧めても拒否されることがあります。
以下その理由として、
①食べ物がわからない
認知症の症状のひとつである失認(認知機能の低下によって目の前にあるものが何かわからなくなってしまうこと)が原因で食べ物を正しく認識できていない場合があります。
失認によって食べ物だと理解できず、食べられるものかどうか判断もできないため、食事を拒否している可能性があります。
色や形が似ていることから食べ物ではない他のものと誤認してしまい手で触ったり放り投げたりしてしまうケースもあります。
食べ物であることを認識してもらうためには、声かけが大切です。
②食べ方が分からない
認知症の症状のひとつ失行(今まで当たり前にできていたことができなくなってしまうこと)が原因で食べ方がわからなくなっている可能性があります。
食事のシーンでは、お箸の持ち方や使い方がわからなくなったり、お箸で食べ物を取って口へ運び、噛んで食べるという一連の動作を忘れてしまうこともあります。
特定のものだけを食べない、食べようとしているのに箸が進まず戸惑っているなどの様子が見られる場合は、失行の疑いがあります。
こうした症状が見られる場合は、本人から見えるところに座って一緒に食事をしてあげます。
また、他の人が食べている様子を真似して食べ始めることがあります。
料理は食べきれる量を小出しにし、お皿の色を変えるなど、些細なことがきっかけで食べ方を理解できることもあります。
③嚥下機能の低下
高齢になると嚥下機能が低下し、食べ物を飲み込みにくくなります。
口に入れてもうまく嚥下できずにむせて咳き込んだり、吐き出したりすることがあります。
このようなことが続くと、食事の時間が楽しくなくなり食欲が低下、食事拒否につながります。
嚥下機能が低下している高齢者には、具材を細かくカットしたり、食べ物の固さを変えるなど調理方法を工夫し、食べやすさと飲み込みやすさを意識した食事を用意するようにします。
④口腔トラブル
入れ歯の違和感、歯周病や虫歯の痛みなどの口腔トラブルが原因で食事がストレスになっていることがあります。
舌苔(舌の汚れ)が厚く付いていることで味を感じにくくなり、食事をきちんと味わえていないこともあります。
⑤食事をする環境
テレビの音が気になる、照明が明るすぎる、暗すぎるなど、落ち着いて食事ができない環境も食事拒否の原因となります。
他にもテーブルの高さが合っていなくて食べづらい姿勢になることに不快感を持ち、食事が楽しめないといった場合もあります。
本人が心地よく食事ができる環境を作ります。
良い週末を。
【監修】院長 元島慧
院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了
2018年 ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了
2018年 大森塾7期 (総合治療)修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了
2021年 CREDセミナー (保存治療)修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
2022年 日本顎咬合学会認定医取得
所属学会
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医