フッ素について
こんにちは♪
本町医院 竹村歯科です!
今回は皆さんも良く耳にするであろう、
フッ素(Fluorine)についてお伝え出来ればと思います。
・フッ素 化学式
まず、フッ素(Fluorine)とは、歯にとって非常に重要な元素であり、その化学式はFです。
フッ素は地球上の天然資源であり、主に水や土壌、動植物にも含まれている物質です。歯の健康を維持する上で、フッ素の働きは非常に大きな役割を果たしています。
・フッ素の働きについて
フッ素塗布の目的は、主に歯のエナメル質を強化することです。エナメル質とは、歯の外側を覆う硬い層、で、これがしっかりしていれば虫歯を予防することができます。日々の飲食によって、口の中の細菌が糖を分解し、酸を生成します。この酸がエナメル質を溶かし始めると、最初は目に見えない段階で歯が少しずつ溶け出す現象が起こります。これを脱灰と呼びます。
ここでフッ素の出番です。フッ素は、この脱灰を抑制し、さらには再びエナメル質を強化する再石灰化のプロセスを促進します。フッ素が歯の表面に取り込まれると、歯の構造をより強固なものに変化させる助けとなり、酸に対する耐性が高まります。これにより、虫歯が発生しにくい環境が作られるのです。
・フッ素の化学的作用
フッ素の化学式であるFは、フッ化物イオン(F⁻)として歯に作用します。
フッ化物イオンは、歯の表面に存在するカルシウムイオンやリン酸イオンと結合し、
フルオロアパタイト (フルオロアパタイト 化学式 Ca10(PO4)6F2)という非常に強力な結晶構造を作り出します。
このフルオロアパタイトは、通常のハイドロキシアパタイト(エナメル質の主成分)よりも
酸に対する抵抗力が高く、酸によるダメージを受けにくくします。
また、フッ素には虫歯菌の活動を抑える作用もあります。虫歯菌が糖を分解する際に作り出す酸の量を減らし、菌の繁殖を防ぐことで、虫歯の発生リスクをさらに下げることができます。
・フッ素塗布の方法
フッ素を効果的に歯に取り込むためには、定期的なフッ素塗布が推奨されます。歯科医院では、高濃度のフッ素を使用したジェルなどを歯に塗布します。これにより、短期間でフッ素が歯の表面に取り込まれ、虫歯予防効果が高まります。
自宅でのケアとしては、フッ素入りの歯磨き粉の使用も非常に重要です。歯磨き粉に含まれる低濃度のフッ素でも、毎日使うことで少しずつ歯にフッ素を補給でき、虫歯予防に役立ちます。また、フッ素配合の洗口剤も市販されていますので、これらを併用することでより高い予防効果が期待できます。
・フッ素の安全性
フッ素は、適切な量を使用すれば非常に安全であり、歯科治療において長年にわたり使用されてきた信頼性の高い物質です。しかし、過剰に摂取するとフッ素症という状態を引き起こす可能性があるため、適切な濃度と頻度での使用が重要です。特に小さなお子様の場合は、フッ素の使用量に注意が必要ですが、歯科医師の指導のもとで行えば安全にフッ素塗布を受けられます。
・なぜフッ素塗布が必要か
虫歯は、子供から大人まで多くの人々にとって非常に一般的な疾患です。特に現代の食生活では、糖分の多い食品や飲み物が増えており、それに伴って虫歯のリスクも高まっています。フッ素塗布は、こうした現代の生活習慣に対応するための非常に有効な手段です。
さらに、定期的なフッ素塗布は、虫歯だけでなく、将来的に必要となるかもしれない大がかりな歯科治療の回避にもつながります。虫歯が進行してしまうと、詰め物やクラウン、さらには根管治療などの複雑な治療が必要になることがありますが、フッ素塗布によって早期予防を行えば、こうした治療を避けられる可能性が高くなります。
・結論
フッ素は、歯の健康を守るために非常に重要な役割を果たしています。フッ素塗布を定期的に行うことで、歯のエナメル質を強化し、虫歯の発生を防ぐことができるだけでなく、酸に対する耐性を高めることで、将来的な歯の問題を未然に防ぐことができます。歯科医院でのフッ素塗布と、自宅でのフッ素入り歯磨き粉の使用を組み合わせて、日常的にしっかりと予防ケアを行うことが大切です。
フッ素の安全性も確立されており、正しい方法で使用すれば、リスクなく虫歯予防に役立てることができます。したがって、フッ素塗布を積極的に受けて、健康な歯を長く保つための一歩を踏み出しましょう。
当院でもメンテナンスの際フッ素塗布をさせて頂けます。
フッ素ももちろん重要ですが1番はご自宅でのセルフケアと定期的な歯科受診が1番大切なので是非ご来院下さい。
【監修】院長 元島慧
院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了
2018年 ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了
2018年 大森塾7期 (総合治療)修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了
2021年 CREDセミナー (保存治療)修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
2022年 日本顎咬合学会認定医取得
所属学会
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医