咬合器とは?
- 2024年8月19日
- 矯正治療,かみ合わせ、咬合治療
こんにちは♪
お盆休みが終わり少し涼しくなった?気もしますね🎵
さて今回は咬合器というものについてです。
咬合器(こうごうき)とは、歯科治療において非常に重要な器具で、患者様の上下の歯列の噛み合わせ(咬合)を再現するために使用されます。これは、特に補綴(ほてつ)治療や矯正治療、咬合調整などで用いられます。咬合器を使うことで、歯科医師は患者様の口腔内の状況を正確に模倣し、最適な治療計画を立てることができます。
①咬合器の種類
咬合器にはさまざまな種類があり、それぞれ特定の用途や精度に応じて選ばれます。主な咬合器の種類には以下のようなものがあります。
1. 単純型咬合器
– 簡易的な咬合器で、上下の模型を単純に噛み合わせるだけのものです。
– 基本的な補綴治療に用いられますが、複雑な咬合調整には不向きです。
2. 半調節型咬合器
– 患者さんの咬合状態をより正確に再現するための調整機能が備わっています。
– 様々な治療に対応でき、特にクラウンやブリッジの製作に適しています。
3. 全調節型咬合器
– 患者さんの下顎運動を詳細に再現するための高度な調整機能を持っています。
– 高度な補綴治療や複雑な咬合問題の診断に用いられます。
– 歯科医師が精密な調整を行うことができ、最も正確な治療が可能です。
②咬合器の使用目的
咬合器は以下のような目的で使用されます。
1. 補綴物の製作
– クラウン、ブリッジ、義歯などの補綴物を製作する際に、患者さんの噛み合わせを再現するために使用します。
– 咬合器を使用することで、補綴物が口腔内で正しく機能し、快適に装着できるようになります。
2. 矯正治療
– 歯の移動や顎の成長を評価し、適切な矯正装置を設計するために使用します。
– 咬合器は患者さんの咬合状態を正確に再現するため、治療計画の立案に役立ちます。
3. 咬合調整
– 咬み合わせの問題を診断し、治療するために使用します。
– 咬合器を使用することで、咬合不調和を特定し、適切な治療を行うことができます。
4. 顎関節症の診断と治療
– 顎関節症(TMD)の診断と治療において、咬合器は重要な役割を果たします。
– 顎の動きを正確に再現することで、痛みや不快感の原因を特定し、治療計画を立てることができます。
③咬合器の使用方法
咬合器を使用する際には、以下の手順が一般的に行われます。
1. 咬合採得
– 患者さんの口腔内の上下顎の位置関係を正確に記録します。これは、歯科用印象材を使用して行われます。
2. フェイスボウの使用
– フェイスボウは、上顎と顎関節の位置関係を記録するための器具です。
– フェイスボウを使用することで、咬合器に模型を装着する際に、正確な位置関係を再現することができます。
3. 模型の装着
– 咬合採得とフェイスボウの情報をもとに、上下の歯列模型を咬合器に装着します。
– これにより、患者さんの実際の噛み合わせを咬合器上で再現することができます。
4. 咬合調整と診断
– 咬合器上で咬合状態を評価し、必要に応じて調整を行います。
– 咬合の問題がある場合、適切な治療計画を立て、補綴物の製作や矯正治療に反映させます。
④咬合器の利点
咬合器の使用には多くの利点があります。
1. 精度の向上
– 咬合器を使用することで、患者さんの噛み合わせを正確に再現できるため、補綴物や矯正装置の精度が向上します。
2. 治療の効率化
– 咬合器上で問題を特定し、治療計画を立てることで、治療の効率が向上し、患者さんの負担を軽減します。
3. 診断の精度向上
– 咬合器を使用することで、咬合の問題を詳細に診断できるため、適切な治療が可能になります。
4. 顎関節の保護
– 正確な咬合を再現し、調整することで、顎関節への負担を軽減し、顎関節症の予防や治療に役立ちます。
⑤咬合器の注意点
咬合器の使用には注意点もあります。
1. 技術の習得
– 咬合器の正しい使用方法を習得するためには、歯科医師や歯科技工士の高い技術が求められます。
– 咬合採得やフェイスボウの使用には経験と熟練が必要です。
2. コスト
– 咬合器や関連機器のコストは高く、患者様に負担がかかることがあります。
– ただし、正確な治療を行うためには必要な投資と考えられます。
3. 時間のかかる手続き
– 咬合器の使用には時間がかかるため、治療計画の立案や調整に十分な時間を確保する必要があります。
⑥結論
咬合器は、歯科治療において不可欠な器具であり、正確な咬合再現を可能にします。これにより、補綴治療や矯正治療、咬合調整がより効果的に行えるようになります。歯科医師や歯科技工士が適切に使用することで、患者さんの口腔内の健康を保ち、最適な治療を提供するための重要なツールです。咬合器の使用には技術やコストが伴いますが、その利点は治療の成功と患者さんの満足度に大きく寄与します。
当院では咬合器を用いたかみ合わせの診断や相談も行なっております。
お悩みの方は是非ご来院下さい。
【監修】院長 元島慧
院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了
2018年 ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了
2018年 大森塾7期 (総合治療)修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了
2021年 CREDセミナー (保存治療)修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
2022年 日本顎咬合学会認定医取得
所属学会
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医