根面う蝕について パート3|竹村歯科 本町本院|大阪本町の歯科クリニック

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医療コラム

根面う蝕について パート3|竹村歯科 本町本院|大阪本町の歯科クリニック

根面う蝕について パート3

みなさんこんにちは♪
竹村歯科本町医院です⭐︎

パート1、パート2と続けて
根面う蝕の話をさせて頂きました⭐︎
根面う蝕について理解は深まってきているでしょうか??

今回はパート1、パート2に引き続き根面う蝕についてパート3ということでお伝えさせていただこうかと思います。

パート2ではは根面う蝕に注意が必要な理由について基礎的で専門的な内容を多くご説明させていただき、
よく分からない事も多かったかもしれません。

今回は臨床的な側面で根面う蝕に注意が必要な理由をご説明させていただきます⭐︎

それでは臨床的に根面う蝕に注意が必要な理由ですが、
まず早期発見が難しいと言うことが挙げられます。

虫歯があるかどうか調べるときは、
視診、触診、レントゲン検査、患者様の主訴などを元に総合して診断します。

通常、初期の活動性根面う蝕は
プラークに覆われているので、
まず歯面清掃をして、
視診(目で視て判断)や、探針を用いた触診(触ってみて判断)を行います。
エナメル質う蝕では、初期変化は白斑として
比較的容易に検出できますが、
根面う蝕はある程度進行して表面に色調変化や粗造感が出現するまで検出が困難です。

歯間乳頭(歯と歯の間の歯肉部分)が退縮して、隣接面の歯根が露出すると、部位的にも形態的にもセルフケアでのプラーク除去が難しく、

唇(頬)側よりも根面う蝕が発生しやすい
環境下に置かれます。
しかも、隣接面の歯根面は
歯科医師、歯科衛生士にとっても
視診や触診は容易ではありません。

さらにはエックス線検査でも
見つけにくいのです!

頬舌側の根面う蝕に対するエックス線検査は、う蝕がある程度進行していても、
透過像として認められないだけでなく、
歯髄腔との位置関係も把握できないので、
効果的ではありません。
また、隣接面の根面う蝕に関しては、
有効であるものの、
初期の根面う蝕ではわかりにくく精度は低いように感じます。

しかし、精度が低いからといって
デンタルエックス線写真を撮影せずにいると
う蝕の見落としにつながるので、
定期的な撮影は必要です。
不安な方は定期的にレントゲンを撮りましょう⭐︎

また、根面う蝕は患者様が見つけにくい部位に
発生し、一般的に痛みなどの自覚症状がないことから、患者様からの訴えもないため、検査にあたっては見落とさないように心がけています。

そして臨床的に根面う蝕に注意が必要な理由の二つ目はシンプルに治療が難しいと言う事です。

根面う蝕に、歯冠部う蝕に準じた方法
(切削をともなう修復治療)で対応し、
あっという間に神経まで到達したり、
歯冠部が割れてしまったりなど、
患者様にとって不幸な結果になってしまう事も少なくありません。

インレーなどの型取りをして技工士さんに作って頂き後日装着をする、というようないわゆる間接修復は口腔外で作業できるというメリットがあるものの、健全な歯冠の削除量が多くなるため、根面う蝕には適さず、臼歯部隣接面であっても、主としてコンポジットレジン(プラスチック)を用いた直接修復が適用されます。

根面う蝕は病変の辺縁だけでなく深度も不明瞭であるため、どこまで削除すればよいのか判断に悩むことがよくあります。
また、う蝕が環状に進行したり、
歯肉緑下(歯肉の中)にまで及んだりすると、
部位的にも解剖学的形態からも
切削や修復操作が容易でなく、
高い技術が要求されます。
チェアタイムや水平位診療ができないなどの
制限がある高齢の患者様においては、
治療はいっそう難しくなります。
このような背景から、齲窩のない(欠損の深さ0.5mm以下)根面う蝕に対しては非切削でのマネジメントが推奨されています。

ちなみに、ガイドラインではエビデンスの
確実性は「高」「中」「低」「非常に低」に分けられることが多いのですが、
根面う蝕の非切削でのマネジメントに対する全体的なエビデンスの確実性は「中」で、実施してみる活動性の判断が難しく、その評価で悩むことが多いと推測します。

根面う蝕を修復する場合、窩縁(マージン)の大半は象牙質に設定されます。根面う蝕の範囲が不鮮明なため、マージンが根面う蝕上に設定されていることもあると思います。う蝕象牙質に対するコンポジットレジンの接着性は低いため、隙間が生じやすく、脱落のリスクも高くなります。仮に健全象牙質にマージンが設定されていても、治療後のブラークコントロールをはじめとして口腔内環境の改善が困難なであるため、う蝕が発生または進行しやすいことに
変わりはありません。

根面う蝕の修復治療に関する長期臨床成績の報告は見あたらず、信頼性の高いエビデンスはありません。しかし、歯冠部の修復治療に比較すると歯根部の修復治療の成績は不良であることはほぼ間違いありません。
神経まで到達していた場合、根管の狭窄、閉塞に加え、防湿や隔壁・仮封材の封鎖性が懸念され、根管治療の成功率が低下することになるでしょう。さらに、補綴治療では、ポストの維持不足、大きな歯冠歯根比のため予後が不良となります。また、歯根破折のリスクも大きくなると考えられます。

などなど挙げ出すとキリがないのですが
やはり根面う蝕には要注意という事です!
不安な方はぜひ一度ご来院下さい♪

院長経歴

2012年 歯学部卒業

2016年 大阪市内にて勤務

2020年 竹村歯科 本町医院院長就任

参加セミナー

2016年  大阪SJCDエンドコース (根管治療)修了

2017年  明海・朝日臨床審美コース (審美治療)修了 

2017年  i6 Implant Education 第一期 (インプラント)修了

2017年  大阪SJCDベーシックコース (総合治療)修了

2017年  山田國晶先生エンドベーシックコース (根管治療)修了

2017年  山田國晶先生主催CERIclub(総合治療)参加

2018年  大阪SJCDマイクロエンドコース (根管治療)修了

2018年  牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース(根管治療)修了

2018年  ADPR定位置埋入コース (インプラント)修了

2018年  ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース (インプラント)修了

2018年  第6期GPOレギュラーコース (矯正治療)修了

2018年  大森塾7期   (総合治療)修了

2019年  大阪SJCDレギュラーコース (総合治療)修了

2019年  山田國晶先生エンドレベルアップコース (根管治療)修了

2021年  CREDセミナー (保存治療)修了

2022年  臨床歯科麻酔管理指導医取得

所属学会

日本臨床歯科学会

日本顎咬合学会 認定医

日本顕微鏡歯科学会

臨床歯科麻酔管理指導医