implant
- 2024年3月21日
- インプラント
こんにちは!本町医院 竹村歯科です💁♀️
皆さんは、虫歯や歯周病、事故などによって歯が無くなってしまった場合、その部分を補う治療法として何を思い浮かべますか?
歯を失った際の治療法は今までだと、入れ歯(義歯)、もしくはブリッジの2択でしたが、最近では第3の治療法としてインプラントが注目されています。
なので今回はインプラントについてお話ししていきたいと思います。
まずインプラントとは、体内に埋め込む医療機器や材料の総称です。
インプラント( implant )は、”植える”という意味を持つ言葉で、そこから医療用語として”移植する”、また”移植する物”を指すようになりました。
心臓のペースメーカー、人工関節、美容成形の目的で体内に埋め込むシリコン材料等は、いずれもインプラントです。
歯が無くなった場合に、顎骨に埋め込む人工歯根もインプラントの一つであり、正確には歯科インプラント(デンタルインプラント)と呼称されます。
インプラントは、噛む力に耐えられる強度があり、体に馴染みやすく、骨と結合するチタンもしくはチタン合金という材料が主に使用されています。
インプラントと骨との結合を促進する目的で、インプラント表面を様々に改変したインプラントが多く用いられています。
インプラントの手術は、失われた歯のあごの骨の中に手術により、人工的な歯根(歯の根にあたる部分)を埋め込みます。
この人工的な歯根をフィクスチャーと言います。
さらにこの人工的な歯根(フィクスチャー)の上に、もともとあるはずの天然の歯に最も近い人工歯(上部構造)を、ネジで固定します。
この人工歯とフィクスチャーを繋ぐ接続部をアバットメントと言います。
結果としてインプラントは、顎骨に埋入するフィクスチャー、アバットメント、上部構造(人工歯)という3つから構成されています。
また、インプラントの治療には、一回法と二回法があります。
この違いを簡単にお伝えすると、歯茎を切る手術を一回するか二回するかどうかです。
一回法の治療手順は、①歯茎を切開して骨に穴を開ける②インプラント体を穴に埋め込む③アバットメントの部分が歯茎から出た状態で骨と結合するまで数ヶ月待つ④上部構造(被せ物)を装着する、までが流れになります。
対して二回法は、①一次手術で歯茎を切開してドリルで歯槽骨に穴をあける②穴にインプラントを埋入する③歯茎を縫合して一旦閉じて骨と結合するまで数ヶ月待つ④二次手術で歯茎を再度切開してインプラントを露出させてアバットメントを連結する⑤上部構造をアバットメントに装着する。以上が流れになります。
一回法は一回で手術を終わらせられるので、患者さんの負担が少なく、手術のコストも少ないです。
他にも、期間が短く済んだり、その日のうちに仮歯を入れることができます。
ですがその反面、傷の治りを待たずに一回で治療する為、感染のリスクが高まります。
二回法では一回法よりも感染リスクが低くなる、安全性が高く、様々な症例に対応できることがメリットです。
デメリットとしては、外科手術が二回必要になることですが、二次手術はごく簡単な処置のみとなっております。
どちらもメリット、デメリットがあり、患者さんのお口の状態によって治療方法が変わってくるので担当医とよくお話しして決めましょう。
インプラント治療は、骨の骨量や骨質(人によって骨が硬かったり、軟らかかったりします)の影響を受ける、治療期間が長い、自費診療なので治療費が高くなってしまう、などのデメリットがあります。
ですがその反面、残っている歯への負担がなく、自身の歯に近い機能や審美性の回復が可能である事や、顎の骨と直接結合されるため、体の一部となり固い食べ物でも楽に食べられ、従来の入れ歯ではどうしても満足出来なかった、「自分の歯」と同じ感覚を取りもどすことができる。などのメリットがあり、生活レベルの向上に伴い、利便性や快適性さらには審美性を求める風潮が広まる中で、それらの要望に応えられる治療と言えます。
しかしながらインプラントは人工物なので埋入すればトラブルは皆無。というわけではなく、天然の歯と同じようにインプラントも歯周病に感染することがあります。
それをインプラント周囲炎と言います。
これは、天然歯における歯周炎と同様に歯垢(プラーク)による炎症です。
インプラントにすれば歯周病の心配がゼロになるということはありません。
歯周病原因菌によってインプラント周囲の骨が吸収する、つまり天然歯の歯周病と同じような状態になることもあります。
さらにはインプラント周囲炎は天然歯の歯周病に比べ、進行が10-20倍ほどの速度で悪化します。
理由はまず、天然歯には歯根膜という知覚神経が存在しているので、無理な力が加わった時には回避する能力があります。
ですが、インプラントは骨と直接接触しているのでこの歯根膜がありません。
他にも天然歯は、歯茎、骨、歯根膜の3つから血液供給を受けています。
ですが、インプラントには歯根膜が存在しないため、血液供給が歯茎と骨からの2つと少なく、コラーゲン線維が水平に走行し、さらに再生能力のある線維細胞が少ないので、感染に対する修復能力が小さいため、進行が早くなると言えます。
そのため、インプラント治療を行ったあとも、日々の正しいブラッシングや、定期的な歯医者のメインテナンス、健診に通うことが大切になってきます。
以上がインプラントについてのお話でした。
インプラント治療は、トラブルの多い治療のような印象がありますが、慎重に行えばブリッジなどの通常の治療よりも機能改善は優れており、残存率が高い治療であることは確かと言えます。
インプラント治療を行う際は、担当医と十分に相談して、納得した上で治療を受けるようにして下さい。
院長経歴
2012年 朝日大学歯学部卒業
2016年 大阪市内にて勤務
2020年 本町医院 竹村歯科院長就任
参加セミナー
2016年 大阪SJCDエンドコース 修了
2017年 明海・朝日臨床審美コース 修了
2017年 i6 Implant Education 第一期 修了
2017年 大阪SJCDベーシックコース 修了
2017年 山田國晶先生エンドベーシックコース 修了
2017年 山田國晶先生主催CERIclub参加
2018年 大阪SJCDマイクロエンドコース 修了
2018年 牛窪先生Bio Raceを極める!ベーシックコース
2018年 ADPR定位置埋入コース 修了
2018年 ストローマンベーシックインプラントロジー1Dayコース 修了
2018年 第6期GPOレギュラーコース 修了
2018年 大森塾7期 修了
2019年 大阪SJCDレギュラーコース 修了
2019年 山田國晶先生エンドレベルアップコース 修了
2021年 CREDセミナー 修了
2022年 臨床歯科麻酔管理指導医取得
所属学会
日本臨床歯科学会
日本顎咬合学会 認定医
日本顕微鏡歯科学会
臨床歯科麻酔管理指導医